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5.P-in Free 1S
2003.6.5
 デスクもノートも使っている私。外ではVAIOのC1(そろそろ買換予定)でワープロをしているのですが(かくいうこの文書もお昼休みにレストランでC1で作っています)、時折メールチェックとかもしたいなあと思うわけです。別にバリバリ外でインターネットをしようかとは思いませんけれど、例えば調べものをする時にネットに繋がっていてgoogleなどを使えると大変便利なわけです。昔はノートPCと共にミニ辞書も携帯していた私。途中でマイクロソフトのエンカルタという辞書を買ったので標準的な調べ物はそれで済みようになり、鞄は大変軽くなりましたが、(エンカルタについてもそのうち取り上げたいと思います)、時事ネタは辞書ではほぼ不可能です。
 そんなわけで携帯電話にケーブルを買ってくればそれで済むのですが、ケーブル自体は5千円程。しかし、スピードは9K程度と、アナログ電話インターネットの1/6程度。そんな遅いスピードでは、文字メールを取り出すのも時間がかかる。しかも携帯電話の通話料金も高い! てなわけでとてもそんなものを使う気にはなれません。「パケット通信による課金制」と言う奴は、時間ではなくやり取りしたデータ量で料金を決める仕組みで、ダウンロードしたら切る、という使い方をしなくていい分だけ楽なわけですが、料金自体はさほど安いわけではありません。
AirH'登場!! しかし…
 そんな中に颯爽と登場したのがKDDIのAirH'。内容としてはPCカード型のPHS端末。そういう商品自体はNTTドコモがP-inコンパクトという商品を出していて、通信料自体は普通のPHSと同じですが、端末が数百円で買えたりしていたのですが、このAirH'はなんと常時接続&定額制で使い放題という衝撃的な製品でモバイラーの間で大人気になりました。しかし、私は父親がNTTドコモですからAirH'なんて買うわけにもいかず(黙って買ってしまえばいい話なんですけれどなんとなく)、そのうちドコモも後を追って出すだろうと思って数年…いや、本当に数年かかりましたが、2003年4月からようやく定額制がスタート! その名も「@Freed」というわけです。4月の最初の日曜日にドコモショップまで言ってきて買いました。
ようやくNTTからも定額制PHSが。
 まず、既にP-inコンパクトを持っている人は…そのままでは使えません(笑) スピードが64Kとそれまでの倍になっているからです。ISDNと同じスピードで月の定額4800円。12MのADSLが3000円なわけですが、モバイラーとしてはそれだけのスピードが出れば取り敢えずは充分です。端末は富士通製とシャープ製の二つ。両方とも頭の型番はP-in Freeとなっていて、P-inコンパクトと区別されています。シャープ製のP-in Free 1Sは、マイクを繋げればPHS電話に出来るというのが富士通に無い性能。と言っても、PCに繋げた状態での話だし、通話料金は別請求だし…と、正直使える意義がなかなか見出せないのですが、実は富士通製の商品より、全長が短いのです。女性の小指ぐらいですかね(笑) その為だけにシャープ製を買ってしまいました。
実は常時接続じゃない
 私は買う前から知っていましたが、実は@Freedは常時接続ではありません。アクセスが無いと勝手に切れてしまう仕様になっています。と言っても、自分でダイヤルアップする必要はありません。数分アクセスが無いと、カードが自動的に待機状態になり、通信を切ります。しかし、PC上では擬似的に繋がったままになっているので、例えばwebを読んでいてリンクをクリックすると、そこでカードが待機状態から復帰して基地局にアクセスしダウンロードを開始します。定額制ですが常時接続ではないわけです。ただ、使っている分にはほとんど感じません。時折基地局を探すのに手間取ってワンテンポ遅れる時がありますが、ほとんどの場合、待機状態になっているのは気にならないはずです。
 これを「ドーマント方式」と言うのですが、これがどんな効用があるかというと、AirH'の場合、常時接続で多くのユーザーが回線を占有してしまっている為、慢性的に重くなっているいう弊害があります。しかし@Freedの場合は定期的に切れるようになっているので、ほとんどの場合スピードは64Kのままです。雑誌のレビューなどでも、色々な場所・時間で実験しても、@Freedのスピードは64Kでほとんど変わっていないようです。ただ、ドコモも常に64Kというのを保証しているわけではないので、人によっては遅くなってしまう人もいるでしょうし、会員が増えてくれば重くなる可能性は充分ありますが、少なくとも今のAirH'よりは良好なパフォーマンスが期待出来るようです。私もデスクトップのISDNより、ノートの@Freedの方が早いです。
ネットゲームが遊べない?
 ただ、この常時接続じゃないというのがデメリットになるものがあります。それは「常時接続を前提としたもの」です。具体的な例としては、メッセンジャーとオンラインゲームです。先程述べた待機状態になってしまうと、自分からアクセスしない限りは復旧しません。その際、自分のPCは擬似的に繋がっている状態なのですが、通信先の方では「切れた」と認識するのです。よってICQやIRCなどはその瞬間に切断されてしまうわけです。また、下りの通信は、上りの通信の時に一緒にする仕様になっているので、相手がIRCなどで発言しても、自分がアクセスしないと返ってこない様です。なのでメッセンジャー系を使うのは少し厳しい様です。
 そしてオンラインゲームは、私もUOをやりましたがとてもラグが激しいです。。上に書いた「下り通信は上りと一緒のみ」と言うのが、常にサーバーからデータを送ってくるUOにはつらくて仕方ありません。キャラクターが動いた瞬間にそれまで溜まっていた下りの情報がドパッと来るのでその瞬間にラグります。また、ゲームサーバー側からしばしば切断されたと判断されてしまいます。正確には切れていないのですが、下りの通信を受け付けないので回線が切れたと認識してしまう様です。この部分はゲームによって違うかもしれませんが、下り通信を自動的に受け付けないと言うのは、その他のオンラインゲームでも激しくラグる原因になるでしょう。

 そんなわけですが、PCでメールやwebに使う、という点で考えればパフォーマンス的に何の問題もありません。初期投資5千円に、毎月5千円。ノートPCのユーザーならば、是非とも買うべき商品です。


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