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8.CANOPUS MpegCutter & TMPGEnc DVD Author 1.5
2003.8.13
DVD作成開始
 PCを買い換え、いよいよDVD作成に乗り込んだ私。今はどのPCにもソフトが付いていて、『1クリックでサクッとDVD作成』などと書いてありますが、それは編集しなければの話。TVならCM編集、デジタルビデオカメラの場合は余分なフィルムをカッティングしてあげなければならないのですが、テロップとかナレーションとか入れるわけじゃないんだから簡単じゃん、と思うかもしれません。確かに全然簡単です。普通にIEとか使える人ならあっという間にやり方を覚えてしまうでしょう。
 但し、激重です。ファイルを開くのに待つ。フィルムをスライドさせては待つ。コマを抜いては待つ。最後に終了処理をしては待つ。ひたすら待ち続けるのがビデオ編集であります。昔職場で実験するに、ペンティアム4の2GHzで1分のファイルの再処理に1分、セレロン1.4GHzで3分。1時間のファイルだとそれぞれ1時間・3時間かかってしまうわけです。というわけで軽い編集ソフトを探す旅が始まったわけです。
まずはキャプチャーボードのバンドル品。
 最初に選んだのがCANOPUSのMpegCutterというソフトです。市販されていません。と書こうとしたら最近MpegCraftという名前で市販を始めた様ですが。これはカノープスのキャプチャーボードのバンドル商品なのですが、説明書にその存在は書かれているものの、ドライバーをインストールする時には出て来ません。自分でCDの中をエクスプローラーしてインストールしなければならない、言わば裏ソフトなのですが、これがまた実に使いやすいです。
 ソフトを起動して、MPEGファイルを開くと中央に最初の画面が出ます。画面下のスライドバーで場面を変えられるので、残したい部分を選択して、最後に処理ボタンを押すと、残したい部分だけのMPEGファイルが生成されます。細かく見たい時は、前後15コマのスライドを表示することも出来ます。
 編集自体は、正直他の編集ソフトと大差無い…というか、名前の通りカットしか出来ないのですが、その分軽くて早いです。特にスライドバーを移動した時のレスポンスは他のソフトとは比べ物になりません。
 そして何より早いのがファイルの生成です。基本的に再エンコードしないので2時間のファイルでも30分とかからず生成されます。他の編集ソフトなら2時間のファイルなら3時間弱ぐらいかかっても不思議ではありません。CMカットしかしないのなら抜群のソフトです。
ライティングソフトが無い…。
 ただ、このソフトではDVDライティングが出来ないので(当たり前だが)、別にライティングソフトが必要なのですが…PCに最初から付いているユーリードのムービーライターも、カノープスバンドルのデジオンもDVDファイルを作る前に再エンコーディングしてしまうではないですか!? これではわざわざ再エンコーディングしない編集ソフトを使う意味がないわけです。MpegCutterにライティング機能があればそれで何も要らないのに…。また、もう一つ欠点があり、MPEGの結合が出来ません。テレビ録画の1話と2話を一つのMPEGファイルにしたい、というのが出来ないのですね。必須というわけではないですが、それも不満点です。
各方面で大絶賛のソフトを試す
 そんな私が目を付けたのが、ペガシス社のTMPGEnc DVD Author。私が語るまでも無く、フリーのMPEGエンコーダーソフトとして名を馳せたTMPGEncの姉妹品で、再エンコード無しでDVD形式のVODファイルを作るというもの。…でも結局ライティング機能ないじゃん。既にVODファイルになっているので他のライティングでただ焼くだけなのですが、いちいちそんな面倒なことをするのも嫌だというわけで一端はやめました。
 しかし、とある日HPを見ていて気付いたのです。バージョンが1.5に上がっている事に。どんな機能が追加されたのだろうと見てみると…なんとライティング機能が追加されている!? つまり、このソフトで全てが完結してしまうのです。これは是非欲しい。でも価格は1万円です。正直、今のPCのソフトでも出来る事を一万円でするというのも…。ダウンロードが6千円というのもイマイチ食指が伸びません。
 が、私はまたしてもここで発見してしまうのです。パッケージ版は説明書が付いているだけでなく、もう一つソフトが付いている事を…。それはTMPGEncそのものの機能限定版!? 再エンコードするという事は、当然MPEGの結合も可能なわけです。機能限定版を正規品と比べると…エンジンが違う? そう、早くて綺麗だと評判のオリジナルのエンコーディングエンジンではなく、ソフトの見た目はTMPGEncなものの、一般的なエンコーディングエンジンになっているという代物です。でもまあ、両方買うと二万円弱するけれど、たまに結合するぐらいなら遅くてもいいかと言うことで、秋葉原で値引きで7980円で買ってきました。
MPEGが生成出来ない!?
 使い勝手ですが…本来なら軽いはずのMpegCutterが重く感じてしまう程軽い。もうびっくりです。ハイパースレッティングに対応しているからというのもあるでしょうが、カノープスとの最大の違いは、スライドを出したまま移動バーを動かせること。MpegCutterの場合は大体の目安でバーを動かしてからスライドを表示し、そこからコマ送りなのですが、こちらはともかくバーを動かして、目当ての繋ぎ目がスライドに現れたらそれを選択すればいいのでとても楽ちんです。
 再処理も当然再エンコーディング無しで、2時間のファイルが30分、そこからライティングソフトを起動して(別ソフト扱いになっているが、ボタン一つで呼び出せます)やはり30分ぐらい。久々にいい買い物をした…と思っていたら、大きな落とし穴が。このソフトってVODファイルしか作れないのです!! PCの中にMPEG2で取っておきたいと思っても、それはどうやっても無理。別にVODファイルのままでもPCで再生出来るけれど、メディアプレイヤーとかでリストに登録するのは無理だし、将来DVDに変わるメディアが出て来た時だってVODファイルじゃどうしようもないじゃん…。
 ああ、MpegCutterにライティング機能があれば…。ああ、DVD AuthorにMPEG生成機能があれば…。そんなわけで、処理は遅いんですがMPEGで生成出来ないとお話にならないので結局MpegCutterを使用しています。そしてDVDにする時のみ、DVD Authorでチャプターとか付けて焼いています。チャプター付けるだけでも再エンコーディングしないわけだからDVD Author買った意味はあるのですがね…。
 
ちなみに、TMPGEncの機能限定版の方は1時間のファイルの結合に4時間も処理がかかってしまいました。これは完全にエンジンがヘボイからでしょうね。まあ、私は滅多に結合しないので製品版を買おうとは思わないですけれど、頻繁に結合したい人は製品版が必要かと思います。

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