2003年チーム分析セリーグ編
 
順位予想も兼ねているので、上位球団から行きます。

広島 先発4・リリーフ3・打撃4・守備3 
先発ローテ 黒田・佐々岡・高橋・長谷川・ニューマン 苫米地・河内・鶴田・横山・横松 
抑え 小山田
中継ぎ 小林幹英・玉木・河野  
左セットアッパー 西川・菊地原(故障明け)・広池    
 
理想打順
一番セカンド東出二番サード野村3番センター緒方4番ファースト新井5番ライト前田6番レフト・ハースト7番ショート・シーツ8番キャッチャー木村一 
捕手 木村一 西山(サブ)・倉(長谷川専用)     
一塁 新井 
二塁 東出   
三塁 野村+栗原(昨季ファームの打点王)       
遊撃 シーツ 木村拓(全ポジションのサブ) 
その他 福地(代走)
 
中堅 緒方
左翼 朝山(故障明け)・ハースト・浅井・町田
右翼 前田
その他 嶋・広瀬・森笠
 
 金本が抜けたものの、私がなにより評価するのが、ショートに獲得したシーツ。いや、この選手自体は大した選手じゃありません。私が散々、セカンドに戻せと言っていた東出がようやくセカンドに戻るのだ。また、サードでボロボロだった新井もロペスの退団で4番一塁が濃厚。昨季28本塁打ながら17失策、東出も16失策していたので、この二人が改善されれば守備力はぐっと上がる。2人で10失策未満の可能性も。そして先発4本柱に、小山田というストッパーを手に入れた投手陣は強力とは言えないまでも、打線の足を引っ張ることはないだろう。
 金本が抜け、シーツが打てない野手だとしても、緒方と前田が昨季は復活、二人とも3割20HRである。この二人と新井のクリーンナップがあれば、充分に戦えると私は思う。
 不安点は3つ。まずは一番打者。一昨年躍進した時は、木村拓が立派な一番打者だったのだが、ここ2年はボコボコで、今年は遂にレギュラー剥奪である。ただ、東出も昨季は.239なので、この一番打者が改善されないといくらクリーンナップが打っても得点が増えない気が。事実、広島はホームランは巨人に次ぐ本数を打っていて、その差は28本なのに、総得点差はなんと148点! これはまさに清水がいるかいないかの差が出ているといっても過言ではない。緒方も打撃が復活したと言っても、もう走れないので(昨季は4盗)、今年も一番に苦しむと、クリーンナップの充実振りと比べて、点が入らないかも知れない。
 2点目が5人目の先発。現時点で広島から獲得した昨季2勝のニューマンって…まあ、高橋に続く待望の左腕だと言えばそれまでだが、河内や横松に早く出てきてもらいたいものだ。しかし、ここで私が問題にしているのは、五人目以降がヘボい事ではない。救援陣がしっかりしていれば、先発なんて4人いればいいのはブレーブスもマリナーズも証明している。…先発四人のうち、一人でも離脱したら、このチームはあっという間にボロボロになってしまうのですよ。下手したらそれだけで最下位になるかもしれない。
 最後がやはり守備。というよりキャッチャー。広島なので目立ってないが、実は昨年は西山・瀬戸のヘボヘボツープラトンに終止符を打たりている。それが木村一。昨年は捕手としてチームトップの109試合で打率.314である。守備はまだまだ及第点ではないが、すっかり肩の衰えてしまった西山とは比べるまでもない。阿部も1年目は余りに酷く、それが巨人が2位に終わった原因だが、昨年はなかなかの成長を見せて優勝の原動力となった。そういう意味では実質2年目となる今年が、木村一の真価を問われることになるだろう。
 そういうわけで、先発四人の故障者が無いという前提で、新井・東出・木村一の新しいセンターラインが長年の課題であった守備力を平均レベルまで引き上げる(平均まで上がれば、あの打撃力なら充分戦える)と予想して、今年の一位に広島を推します。 
ドラフト解析
自由枠で獲得した永川は150キロ右腕。ただ、フォークしか使える変化球が無いらしい。セットアッパーとして使ってみたいし、将来のストッパー候補。実は私の中で、新人王本命だったりする。
期待の若手
 私が昨年推した広池は故障の菊地原に代わって中継ぎ左腕になった。…佐竹は二軍暮らしでしたが。 
 さて、今年のイチオシは栗原健太23歳・日大山形出身。昨年はファームの打点王。今季はサードが現状では野村だが、復活した他の二人のベテランと比べて、野村は昨年.211。膝の調子が良くないようなので、一気に栗原がサードに抜擢される可能性も。
外国人解析
 レフト候補のハーストは、ともかくボールが飛ぶらしい。が、変化球が打てないようだ。そう言う意味では1年目のラミレス(ヤクルト)みたいなもんで、下位に置けば狭い広島球場ではなかなかやるかも。
 シーツはメジャーでずっと守備固めをしていた選手。守備は信頼しても良さそうだ。
 ニューマンはヤクルト在籍2年間で5勝の投手である。左腕だから取ったようなものですな。最初は中継ぎかと思ったら、いつのまにか先発5番手になっている…。 


中日 先発5・リリーフ5・打撃3・守備5
先発ローテ 川上・野口・朝倉・山本・バルデス 紀藤(谷間兼敗戦処理)・山井 川崎(投げれるまでには回復)・バルガス(外国人枠でファーム)
抑え ギャラード
中継ぎ 落合・遠藤・正津
左セットアッパー 岩瀬・山北・小笠原(先発兼任)

理想打順
一番ショート井端二番セカンド荒木3番センター福留4番サード立波5番ファースト・クルーズ6番レフト・アレックス7番キャッチャー谷繁8番ライト大西 

捕手 谷繁 柳沢・中野
一塁 クルーズ 瀬間仲
二塁 荒木
三塁 立波     
遊撃 井端
その他 渡辺・酒井(内野全てのバックアップ)・森野
 
中堅 福留
左翼 アレックス
右翼 大西・井上
その他 関川・蔵本
 
 福留の打撃開眼と、16年目にして自己最高の92打点を記録した立波の活躍で打線が底上げされ、昨年3位になった中日。今年は昨年以上に打線・投手陣とも期待出来そうです。
 投手陣は、谷繁の加入でセンターラインが強化された事が効いて、多くの若手が活躍しました。荒木・井端の12球団屈指の二遊間に、サードが立波という恵まれた内野陣もあります。4年目、まだ22歳の朝倉は、今年も川上と共に先発の軸として活躍できるだろう。そして、昨年は故障でほとんど登板の無かった野口と、不調だった山本昌の左腕二人、阪神から移籍したバルデスで五本柱が揃い、昨年6勝の山井が備えます。川崎がどこかに吹き飛んでしまう陣容で、中継ぎも実に多彩。ともかく層が厚いのです。上に書いた投手の名前が15人。名前を書いていない選手には、広島のニューマンより使えそうな奴がゴロゴロいます。昨年のチーム防御率は巨人に僅かに負けましたが、野口の復活があれば巨人以上の投手陣となるだろう。
 というわけで、やはり打線。一番から荒井・井端・福留・立波と続く打線は申し分が無く、後はその後ろの底上げ。8番谷繁は打率は最悪だが24本塁打なら8番打者としては申し分無いわけで、やはりクルーズとアレックスの二人にかかってくる。
 実は昨年、7月に故障で戦線離脱したゴメスは、16本塁打43打点と充分に活躍していた。通年ならこの数字は倍になっていたはずで、恐らくそうすれば優勝も夢ではなかったように思う。クルーズは140試合出場すれば30本塁打は打てる。問題は打率で、阪神時代も半分過ぎたところで14本塁打も打率.234で解雇された。左腕の変化球にキリキリ舞いだったわけだが、果たして2年間のマイナー生活でそれを克服しているのかどうか。アレックスはそもそも長打のある選手ではないので.280、20本ぐらいか。ただ、守備はかなり広い選手なので、センター福留以外は実は外野を固定できていない中日にとっては、そのぐらい打ってくれて広い守備力ならば万々歳なのではないだろうか。
 というわけで、昨年と同じ陣容に外国人三人が期待通りの活躍を見せれば優勝を狙える位置にあるということで、でも打線は若しかしたらてこずるかも知れないので広島の下の2位予想とした。 
ドラフト解析
ドラフト7位の瀬間仲ノルベルト。ブラジル人留学生の左打ちの一塁手。将来的にはかなり楽しみです。外国人枠なのはどうしましょうか? 帰化します? 
期待の若手
小笠原は5月までに先発で5勝しながら、その後ボコボコに打たれたため中継ぎ降格。中継ぎとしては合格点の働きをしたが、山本ももう38歳なので、1年間ローテを守れる投手になって欲しいと思いますが。
外国人解析
 バルデスは昨年阪神のストッパーで防御率一点代。ただ、先発としてどのくらいやれるかは正直未知数だが、最悪セットアッパーということになるだろうから、特に問題はなさそうだ。それに本当に駄目なら、25歳のバルガスが一軍に昇格するのみ。昨年は8試合の先発で防御率3点代。私はてっきり、今年はバルガスで行くのかな?と思っていましたので…。
 クルーズは上に書いた通り、ともかくどのくらい左腕を打て、どのくらいの打率を残せるか。.270ぐらい打てれば、通年で使われるでしょうから30本塁打は行くでしょうが…駄目なら4月でクビになり、瀬間仲の出番か。
 アレックス・オチョアはMLBの中堅外野手。強打は無いが、そこそこのバッティングと広い守備力で外野手不足のチームを転々としていました。打撃の安定している新庄みたいなポジションの選手、と考えて頂ければ。広いナゴヤドームに合った選手だと思います。


巨人 先発4・リリーフ3・打撃5・守備2
先発ローテ 上原・桑田・工藤・高橋・入来 真田・木佐貫・久保・ラス 谷 
抑え 河原
中継ぎ 條辺・ペトラザ・ベイリー・西山 木村(故障明け)    
左セットアッパー 岡島・前田・河本 柏田(故障明け)
 
理想打順
一番ライト清水二番ショート二岡3番センター高橋4番ファースト・ペタジーニ5番キャッチャー阿部6番セカンド仁志7番ライト斎藤8番サード長田
  
捕手 阿部 吉永(左の代打兼任)・村田善     
一塁 清原
二塁 仁志
三塁 江藤・元木・福井      
遊撃 二岡
その他 川相(内野全てのサブ)・鈴木(代走)・長田
 
左翼 清水
中堅 高橋
右翼 ペタジーニ(一塁兼任)・斎藤(サード兼任)
その他 後藤・川中(内野兼任) 堀田・高野
 
 私の予想に反して、上原も桑田も工藤も河原も1年間通してどうしようもないぐらい出来過ぎな成績を残してぶっちぎりの優勝を果たしました。上原は1年目以来の好成績。今年もやれそうです。桑田も新投球フォームで見事な復活、こちらも大丈夫でしょう。そして河原も、抜群ではないですが充分ストッパーとしての役割を果たしました。今年もいいと思います。
 なのに何故3位かといえば…まあ、当然松井の穴もあるのですが、工藤と入来が少し危なげで通年活躍するのが厳しそうです。…まあ、入来は昨年も故障してましたが。工藤もまともに投げられないようだと、投手陣はかなり厳しそう。そしてアルモンテや田畑や南やら大量解雇した右の中継ぎは條辺と病み上がりの木村だけ。ペトラザを取りましたが、昨年からかなり球の力が落ちてますから、果たしてセットアッパーとしてやれるのか。左は前田の加入で岡島とのダブル左腕がかなり効いてますけどね。
 工藤と入来がやれるのか。やれないのなら真田や新人2人がその穴を埋められるのか。河原がストッパーになったとは言え、中継ぎはそんなに強くないので、投手が7回まで持つことが前提でした。上原・桑田は大丈夫ですが、果たして真田と新人2人が7回まで持つのか。6回ぐらいで降板していると、シーズン後半でリリーフ陣が息切れしてしまう危険もはらんでいます。
 …松井の穴と書いておきながら投手のことばかりですが、実際松井の穴はペタジーニで埋めました。ライトの守備位置? 理想打線でわかる通り、私の計算ではファーストです(笑)。清原、昨年は僅かに55試合ですよ…それで斎藤がファーストに入ったわけですが、ファースト・ペタジーニ、ライト斎藤と考えれば昨年と同じ陣容になるわけです。逆に清原が健在だと、ライト・ペダジーニは守備で大きな痛手ですし、本人も外野で走り回って大きな負担ですから打撃にも影響を及ぼして泥沼でしょう。予想としては清原のスタメンが50試合ぐらい、その分ペタジーニはライトで、残りはファーストのスタメンでしょうか。
 ただ、斎藤もまだまだですし、江藤も肩の調子が悪くて今年もフル出場は厳しそうだし、投手陣も駒が足りなそうなので3位にしてみました。
ドラフト解析
 自由枠の木佐貫と久保が先発候補。先発が足りなそうなので、この二人が活躍してくれると優勝も見えてくるのですが、木佐貫は150キロ出るものの、変化球が余り良くない。というかフォークとスライダーじゃ抑えの球種じゃないか。個人的にはセットアッパー、将来はストッパーにした方がいい気がするのですが。同じような投手が入来。彼も先発候補でしたが、球が速いだけなので最初の数年は中継ぎで、コントロールを磨いて先発に舞い戻りました。木佐貫は素材としては入来よりは上かとは思いますが。久保の方がまとまっているので、他のチームなら間違いなくローテに入ったかと。ただ、高橋尚と一緒で、10勝以上は難しいか。右の中継ぎが足りないから、木佐貫は本当に1年目の入来の様に右のセットアッパーでも面白いと思いますがねえ。その方が新人王が近いかも。久保は10勝前後なので、もっと成績がいい新人がいなければ、新人王でしょうか。
 そして4巡の長田。なかなかいい素材ですが、さすがに1年目からは厳しいか。でも、松井もぼこぼこだったわけですから、一軍で使うなら80試合ぐらいはスタメンで使いたいですけどねえ。ただ一軍に置いておくなら、ファームのスタメンの方がいいでしょう。私が監督なら、江藤も故障しているので開幕サードで、取り敢えず4月は使ってみます(笑)。
期待の若手
 ドラフトでも書いたように先発が足りないのですが、昨年ファームのエースは高橋尚と同期のドラフト2位、サイドスローの谷はファームで最多勝の13勝。が、コントロールがどうもイマイチのようです。
 あと、余り若くないですが、二軍のクリーンナップの外野手コンビ、堀田と高野は、松井が抜けた今季は一軍定着のラストチャンスか。ここらで頑張らないと、大森の二の舞になります。
外国人解析
 ペタジーニは打撃は問題無し。守備も開幕一塁で決まりそうなので問題無し。というか、外野で使うならレフトじゃないのか? 何故にライトなのだろう…。私なら、左からペタ、高橋、清水にしますけどね…。
 ペトラザは既に全盛期の球が来ていない状態です。もともと球威は無いが、コントロールがいい投手。変化球がどれくらいセリーグで通用するかというところですね。
 ラスはストレートが140キロ出ないという左腕。ただ、変化球がかなり多彩なようです。しかし、コントロールが悪いらしく、ストライクがバンバン取れる時は球種が多いので打ちにくいのですが、入らない時は本当に入らないで四球で自滅、若しくはストライクを取るためのへろへろストレートを狙い撃ちされてしまうようです。…どうなんでしょ?
 ベイリーは大物ではないですが、メジャーでも中継ぎをやっていた投手。右の中継ぎが足りない現状からいけば悪い選手ではないですが。

横浜 先発3・リリーフ2・打撃3・守備2
先発ローテ 三浦・吉見・若田部・斎藤隆・ホルト ドミンゴ・山田・川村・福盛・谷口
抑え 木塚 ホワイトサイド(ドミンゴとどちらか一人)
中継ぎ デニー・中野渡(故障明け) 杉本・横山
左セットアッパー 竹下・森中・河原
 
理想打順
一番ショート石井琢二番セカンド小川or種田3番レフト鈴木尚4番ライト古木5番ファースト・コックス6番サード村田7番センター金城8番キャッチャー中嶋 
捕手 中嶋・相川 中村
一塁 コックス
二塁 小川・種田・村田(三塁兼任)
三塁 古木(一塁兼任)
遊撃 石井琢 ウッズ・内川
その他 万永(内野全てのサブ) 七野・福本
 
左翼 鈴木尚
中堅 金城
右翼 佐伯・中根
その他 田中一・多村・小池
 
 小宮山が抜け谷繁が抜け、三浦と斎藤隆と木塚と中野渡と鈴木尚が故障で戦線を離脱していたのでは、いくら森監督とは言え、いや誰が監督をやってもどうしようもない状態だったわけであるが、今年は山下新監督の元、出直しを図る。
 まずは投手陣の再編で、斎藤隆を先発に回した。これによって吉見・若田部・ホルトで4本、肩の手術をした三浦も五月前後には戻ってくるので、頭数はきっちり揃った。若田部も10勝は出来るだろう。ただ、5人が5人とも、普通の先発投手なのが気にかかる。わかりやすく言えば巨人の入来や高橋尚クラスが5人いるようなものである。上原、野口、川上のようなスーパーエースが一人はいないと、ある程度戦えることは出来てもAクラスは遠い。6人目の先発は、故障から復活をかける川村と福盛、若手の谷口がいるが、ドミンゴ(昨年までグズマン)が昨年はなかなかいい投球をしていたので1年間ローテで使ってみたい素材だ。三浦が帰ってくるまでは五番手だろう。若しかしたら、ドミンゴが横浜を救うスーパーエースになるのかもしれない。…宝くじ一億円より確率が低そうだが。
 ただ、そんな事よりリリーフ陣がかなり深刻だ。ホワイトサイドはダメダメっぽく、ストッパーは木塚が入りそう。木塚自体は斎藤隆と同等だが、右のセットアッパーが36歳、既に全盛期の球は無い西武から移籍のデニー。左は竹下・森中といるが、右の中継ぎを整備しないと大変厳しい。

 野手の方は、デニーと共に西武から中嶋を補強した。谷繁がいれば、投手陣はあそこまで酷くはならなかったはずで、相川はまたまだ力不足、中村が主戦となったが肩の衰えは隠せず、相手のランナーはフリーパス状態だった。中嶋も41歳の伊東からスタメンを奪えなかったわけで、肩は強いがリードが短調、打撃がめっきり駄目なのだが、相川・中村よりは遥かにましだろう。少なくともポンポン走られることは無いだろうから、その分だけでも投手は安心して投げられそうだ。無論、阿部・古田・谷繁と言ったキャッチャーと比べれば数段落ちるわけで、相川も育てながら使っていかないと将来的に厳しいだろう。
 打線に目を向けると、古木、村田の若手2人に非常に期待がかかる。私が散々使え使えと言ってきた古木は、昨年100打席で9本塁打。規定打席はその4倍だから単純に妄想すると36本塁打で、まさに横浜久々の、待望の和製大砲になる。そして村田は古木と同期の内野手で、超大物ではないが長打が魅力。今後の横浜のクリーンナップを打てる素材で、2人が物になれば横浜は10年はクリーンナップに困らないわけで、今年は是非、2人とも1年間通して使ってもらいたい。…それが優勝に直結するかどうかはなんとも言えないが、今年は建て直しの時期であり、この2人はよっぽど打てない場合を除いてスタメンで使いたい。
 ただ、守備位置は再考の予知ありか。私の理想打線は、本当に私の理想なので、現実にはサード古木、村田はセカンドコンバートで小川、種田と競う予定。ただ、古木のサードはちょっと難しい。正直、広島の新井レベルだ。理想では古木はファーストで使い、村田は元々サードなので、セカンドで悩むよりもサードで1年間頑張らせたい。無論、村田があの強打でセカンドを守れれば、リーグ随一のセカンドになれる可能性もあるのだが、巨人の仁志も1年目はサードでプロに慣れて2年目からセカンドに回った。村田も1年目であることを考えるとサードで慣らしたいところだが。
 そこで問題はファーストのコックス。左のラインドライブヒッターで、.270、25HRぐらいは残してくれそうだ。それを考えると古木は今年はライトがいいのではないだろうか。佐伯が使えなくなってしまうが、金城の打撃の化けの皮が剥がれたことを考えると、若し古木がセンターを守れれば、サード村田、ファースト・コックス、外野が左から鈴木・古木・佐伯となる。金城も大して守備が上手いわけでもないから、この陣容もありかと思っていたが、古木はキャンプでサードばっかり練習していたので今年はもうこの陣容は試せないだろう。ただ、先程も書いた通り、古木のサードは無理である(笑)。広島の新井はロペスを解雇して一塁を与えられたが、古木もそうなるか、コックスが今年も活躍して残留し、古木がサードで30HR打ったとしたら、恐らくエラーが20個近くなので秋季キャンプで外野の練習をしていることだろう。
 ただ、問題は実は守備力である。打線は1番に石井が入り、鈴木・古木・コックスというクリーンナップを考えればかなりの底上げだが、守備の悪さが投手陣を苦しめそうだ。マシンガン打線は打撃だけではなく、守備も一流でした。しかし、サードが古木でセカンドが村田で、外野の両翼が鈴木と佐伯では、ペタジーニがレフトとライトとサードに入っているようなものです(笑)。私は鈴木が若手の頃からファーストにすべきだと思っていましたから…外野は再編しないと、金城はセカンドにでもコンバートした方がよろしそうです。
 というわけで、今年は建て直しの年ですが、古木と村田の活躍に期待して4位にしてみました。但し、3位と10ゲームぐらい離れていると思います(笑)。
ドラフト解析
 一位の村田、日大出身は大学で通算20HRの三塁手。上記した通り、打撃の弱い横浜では古木と並ぶ数少ない大砲候補ですので、今年は駄目でも育てたい。.270、20HRぐらいやってくれそうだ。野手では堂々たる新人王候補筆頭である。…というか本当にセカンドなんですか、山下監督? 
期待の若手
 古木は上で散々書いたのでここでは触れず。センターは田中一とか使ってみたい。昨年は100試合で打率.256、盗塁6。.280、30盗塁を目指して頑張っていただきたいが。守備力を考えれば田中一と金城を併用したいところではあるのですが。
外国人解析
 コックスは、左打ちなのでやっぱり日本の左腕投手には苦しみそうだ。野口のスライダーや高橋尚のスクリューを打てるかどうかにかかってくる。どのチームも変則左腕の中継ぎが大体いますしねえ。ウッズはキャンプで全く見ていないのですがどこに行きましたか?
 ホルトはアストロズでローテに入っていた投手。日本にいるのが不思議なぐらいです。通年の今年は15勝は期待しても良い。ドミンゴも残留させたからには二軍ではなくて、今年はローテに入れてみたい。昔の巨人のガルベスみたいにならないことも無いかもしれない。ホワイトサイドは…セットポジションが出来ないらしい。フォーム改造が間に合うのでしょうか。


ヤクルト 先発2・リリーフ5・打撃3・守備4
先発ローテ 藤井・ホッジス・石川 坂本・戎・鎌田・山部 
抑え 高津
中継ぎ 五十嵐亮(五月復帰)・河端・花田 成本・本間
左セットアッパー 石井・前田・松田 山本(故障気味)
 
理想打順
1番セカンド城石2番ショート宮本3番ライト稲葉4番サード岩村5番レフト・ラミレス6番キャッチャー古田7番ファースト鈴木8番センター真中 
捕手 古田 小野     
一塁 鈴木・ベッツ
二塁 城石・土橋 浜名
三塁 岩村      
遊撃 宮本
その他 度会・三木・衣川(代打)・ツギオ
 
中堅 真中 飯田
左翼 ラミレズ
右翼 稲葉
その他 佐藤
 
 先発三本柱は立派。高津は防御率4点台目前と往年の力は無いが、石井・五十嵐の脅威のダブルセットアッパーが見事に試合を作っている。ただ、先発がどうしても足りない。ここを埋めないとどうしようもない。昨年も二位と言っても、巨人と10ゲーム離れているわけでペタジーニも抜けた今季はますます厳しい。
 リーグ屈指の中継ぎ陣と脅威の守備力、そして中距離打者が長距離打者になる脅威の神宮球場を本拠にしているだけに、もう一人エースで出てくれば、つまり石井一の穴が埋められれば一気に優勝候補に踊り出られるのだが、現状ではその候補さえいない。
 戎はパリーグの防御率一位といっても、昨年の日本シリーズの西武投手陣の打たれっぷりを見れば推して図るべし。しかも戎はプロ入り13年間でまともに働いたのがその1年だけである。一昨年優勝時のローテ投手、前田は私の予想通り化けの皮が剥がれて中継ぎに転向、ちなみに入来兄は韓国リーグに行ってしまいました。山部は5勝したと言っても誰もいなかったから投げただけで防御率.5.53。肘の手術をしてから、かつてローテに入っていた頃の力は無く、そもそも中継ぎのはずだった。坂本も100イニングは投げたが3勝。球の力はあるが10勝を目指すには変化球を鍛えないといけない。現状では先発四番手だが、坂本が四番手では優勝は無理。ヤクルトが優勝するときのお決まり、ポッと出てくる先発投手はいるのでしょうか? 統計学的には、巨人ヤクルト巨人と来たら、今年はヤクルトが優勝する番ですが(笑)
 打線もなかなか厳しい。まず1番がいない。昨年の盗塁数はたったの36盗塁。二桁盗塁が一人もいない。1番がいないです。真中も3割打つけれど盗塁出来る打者でなく、怪我に泣いた昨年に引き続き今年も厳しそう。飯田は今年で引退か。一応、理想打順ではセカンド候補の城石を入れているが、この人も走力はありません。1番が出来ないと得点能力はどうしても上がってこないだろう。いざとなったら宮本1番だか、出来れば2番に置きたい打者である。
 そしてなんといっても問題は外野だ。4番手が38歳の佐藤とは…真中も飯田も厳しいし、稲葉も3割30本の力があるのだが安定感がない。それに稲葉ももう31歳になってしまった(笑) 若手が出てこないと大変です。
 
 というわけで、先発の絶対数が足りないことと、横浜と違って有望な若手野手がいないので5位とした。
ドラフト解析
 高井は3年後でしょう。即戦力は無し。
期待の若手
 期待の若手ではないのですが、2000年のドラ1、150キロアンダースローの平本は昨年ファームで66イニングで45四球。ちなみに巨人の上原は昨年200イニングで23個でした。…頑張れ。 ちなみに若手ではないですが移籍組の鈴木と成本はそこそこやりそうな予感が。
外国人解析
ベッツはオープン戦で西武から移籍の鈴木に負けているのですが。
阪神 先発3・リリーフ2・打撃4・守備3
先発ローテ 井川・ムーア・伊良部・藪・ 藤田・藤川・安藤・川尻
抑え ウィリアムス・ポート
中継ぎ 金沢・谷中・福原(故障明け) 石毛
左セットアッパー 吉野・下柳・中村泰(新人) 佐久本
 
理想打順
1番センター赤星2番セカンド今岡3番レフト金本4番ライト浜中5番ファースト桧山6番サード・アリアス7番キャッチャー矢野8番ショート沖原 
捕手 矢野・野口 浅井     
一塁 桧山(ライト兼任)
二塁 今岡 上坂  
三塁 アリアス(一塁兼任)・片岡      
遊撃 田中・藤本・沖原・久慈
その他 八木(代打)・広沢(代打)
 
左翼 金本
中堅 赤星 平下
右翼 浜中
その他 中村豊・高波(守備・代走)
 
 堂々の最下位予想。昨年、これでもかこれでもかと言うほど補強したわけですが…こんなお爺さん軍団でどうするんでしょうか? 金本35歳、伊良部34歳、下柳35歳。藪もいつのまにか35歳で、それは復活ではなくて最後の一華咲かせたという奴ではないのでしょうか? 久慈とか石毛とか年よりばっかで、あたかも一昔前の巨人のようです。その巨人が優勝したかとは言えば答えはNo。チームはチームとしてまとまらずグチャグチャでポテンシャルを発揮できず、オフには去る人もたくさん。しかし、翌年には生え抜きと移籍組がチームとしてまとまり、若手も出てきて優勝しました。というわけで阪神は来年優勝予想です!

 それだけで終わりにするわけはいかないので分析を。井川は今年も問題ないかと。…ムーアはちょっと厳しそう。昨年も終盤はボコボコ打たれてました。その為フォークを覚えて頑張っているそうですが、ちょっと厳しいか。藪も今年は駄目かな。伊良部は肺血栓で飛行機に乗れないので、今年1年は日本の新幹線移動でリハビリです。オフにFAでメジャー復帰。まあ、そこそこはやるでしようが、命張ってまで投げることは無いと思います。10勝ぐらいが関の山か。肘とか少しでも痛くなればもう投げないはずです。まあ、今年も藤田・藤川・安藤に経験を積ませれば、来年は井川を加えて先発4本柱、4人で60勝、さらに5年は使えるでしょう。
 中継ぎに目を移すと、バルデスを解雇した意味が全くわからない。新外国人のダブルストッパーですが、来年片方残った方がストッパーか。若しくは両方消えるのか。吉野、金沢と言う左右のセットアッパーはなかなかいいですが。下柳は先発とも中継ぎとも言われてますが、先発候補があれだけいることを考えれば中継ぎにした方がいいのではないでしょうか? ムーアと藪が消えれば先発に回るでしょうが。まあ、下柳は鉄腕なので、どんな使われ方をしても来年の優勝に大きく貢献してくれるはずです。
 
 野手に目を移すと、片岡がもういません。金本は年齢が年齢だけに、怪我だけが怖いですね。ただ、成績自体は残してくれそうです。今岡は今年は不安。そして捕手の方ですが、日ハムから野口を補強しました。矢野も既に35歳、野口も32歳と若くはありませんが、場合によっては野口が主戦で行くかもしれません。
  ただ、問題はショート。どうしようもない感じです。外野は浜中・赤星・桧山といる上に金本を補強したのに、ショートの補強が久慈だけとはこれいかに。ここを補強しないとどうしようもないと思うのですがねえ。巨人から元木でも取って来ますか? まあ、8番でいいので、沖原スタメン→代打・広沢→久慈→代打・八木→田中という感じになるのでしょうか。有望株として関本がいますが、本来はサードの選手ですからショートは厳しいのでは。後は片岡が復帰してもセンター赤星は動かすべきではないでしょう。
 そんなわけで、この大補強がこなれるのは1年かかると見て、今年は最下位予想に致しました。
ドラフト解析
 一位の江草は既に今季絶望。4位の左腕、中村泰をキャンプで中継ぎテストしています。スライダーは岩瀬並に切れるそうで、後はコントロールです。
期待の若手
 昨年この欄で紹介した吉野は、防御率1点台と見事な左セットアッパーに。外国人の出来によってはストッパーもありか。ただ、今年は続く選手がいません。関本はサードで1年使ってみたいですけど、今年のメンバーでは難しそう。来年のサードかな?
外国人解析
 アリアスは今年も打率.250で30HRだろう。ムーアは多分駄目。
 そして新外国人、左腕のウィリアムスと右腕のポートですが、キャンプでは特に問題はないのですが、凄いいいというわけでもないので、後は使ってみないことにはなんとも言えませんな。


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