2008年パリーグ分析
 
展望
一位 ロッテ
二位 日ハム
三位 楽天
四位 ソフトバンク
五位 西武
六位 オリックス

・昨年は日ハム、ロッテ、ソフトバンクが上位を争ったが、ソフトバンクはベテランが多く、やや落ち目。圧倒的な強さで二年連続でペナント一位になった面影 は薄れている。それでも投手陣が強力なので勝率5割を切ることはないだろうが、今年は優勝争いは厳しいのではと予想する。
 昨年の日ハムは小笠原と新庄が抜けて打線が苦しく、優勝したと言ってもチーム打率も得点も本塁打もリーグ最下位であった。それでも優勝出来るのは、一番 から三番までがリーグ屈指の打力を持っており、それをチーム盗塁112という機動力と強力な投手陣でカバーしたからであり、今年も上位争いは間違いないだ ろう。中田や新外国人が4番や5番で大活躍すればブッチ切りで優勝するかも知れないが、それを前提として優勝を予想することはやめたい。
 逆にロッテは、ズレータと今江が故障で半休した中、リーグトップの得点を叩き出している。両リーグ合わせてもロッテより多いのは巨人だけだが、巨人は ロッテより得点が63点多いのだが、チーム本塁打数は84本も多い。それだけロッテの打線が強力なことの証であり、前述の二人が復調することは、新人や新 外国人の活躍を予想することよりは可能性が高いことであり、日ハムよりロッテを推す最大の要因である。 
 楽天は、三年目でいよいよチームが出来上がってきた。チーム防御率はリーグダントツで悪いのだが、これは選手層が薄いために負け試合で3流投手がボコボ コに打たれるのも多分に関係あるだろうから、駒の揃った今年は改善が期待出来る。打線も出来てきたので、今年は勝率5割越えを目標とした戦いが期待出来 る。但し、先に書いたように選手層が薄いため、主力に故障者が多発すると一気に最下位になってしまう危険性も孕んでいる。
 西武は今年は完全に再建モード。ここは昔からドラフト戦略がしっかりしているため、和田とカブレラが抜けた跡を、有望な高卒野手を使って鍛えさせられれ ば、数年後には復活するかも知れないが、今年に限っては戦力不足だろう。
 オリックスはどうしようもないとしか言いようがない。チーム打率はリーグワースト、チーム得点はワーストの日ハムより10点多いだけ。チーム盗塁はリー グ5位のソフトバンクの半分以下でダントツ最下位。チーム防御率は順位だけならリーグ4位だが、3.20前後の上位三球団と比べると3.67とだいぶ跳ね 上がる。それでいて今年の補強がカブレラ、浜中、古木と来たもんだからたまらない。オリックスと近鉄から40人抜き出して出来たのがオリックス・バッファ ローズで、残りカスで出来たのが楽天のはずだが、それがどうやったらたった3年でこんなチームになるのか私には解せない。

ロッテ 先発5・リ リーフ4・打撃4・守備5 

先発ローテ 成瀬・渡辺俊・小林宏・清水直・小野・久保 服部・大 嶺 
抑え ?
中継ぎ シコースキー・荻野・小宮山  
左セットアッパー 川崎・高木    
 
理想打順
一番ショート西岡二番センター早川3番ファースト福浦4番ライト・サブ ロー5番DHズレータ6番キャッチャー里崎7番レフト・ベニー8番セカンド・オーティス9番サード今江 
捕手 橋本(左代打)     
一塁  
二塁 根元   
三塁 堀・青野       
遊撃 塀内  
   
中堅 大塚
左翼 大松・竹原
右翼 
   
 先発は盤石。ローテがきっちり6人揃っている上に、社会人No1の服部 を獲得。さらにストレートだけならチームで一番凄い大嶺も控えており、巨人より余程充実した先発陣で、二人ぐらい故障しても何の問題もない。
 リリーフも、YFKが抜けたと言っても、小林雅は昨年7敗している上にファーム落ちもしている。藤田も防御率12.64で15イニングしか投げていな い。よって、実質的には藪田しか抜けていないのだが、昨年ヤクルトで40イニング投げて防御率2.29のシコースキーを獲得しているので、戦力的には何の 問題もない。荻野、川崎と言った若手が昨年目覚ましい活躍をしているのもそれを後押しする。
 ただ、一つ不安があって、ストッパーが決まっていないことだ。いくら優秀な選手が揃っていても、ストッパーが決まっていないと救援陣は安定しないのは、 読売ジャイアンツの歴史が証明している。ロッテの投手陣において問題はまさにそこだけであり、バレンタイン監督の判断が注目される。豊富な先発から誰かが ストッパー転向というのも有り得るだろうが…。

 野手は昨年と顔触れの変化は無し。昨年は二番に早川が定着したの が大きかった。西岡との快足一二番は得点力を大きく向上させ、また肩は余り強くないが快足を活かしたセンター守備は数字に出ない部分で大きく貢献してい る。早川がセンターに固定されたことによってサブローもライトに固定され、怪我の多い彼には俗に運動量がセンターの半分と言われるライトが合っていたよう で、出場が例年より大幅に増えている。そんな打線に、昨年は怪我で77試合しか出られなかったのに15HRしたズレータが帰ってくるのだから心強い。
 心配な点は二つあり、一つは福浦とベニーの衰え。福浦は故障もあったようなのでまだいいが、ベニーに関しては完全に衰えている。昨年3割打った大松や、 8HRした竹原にどう切り替えるのか。ベニーはバレンタインの愛弟子だけに、その部分がきっちり判断出来るかが気にかかる。個人的には福浦も不調が続くよ うなら、一塁は竹原でもいいのではとも思っている。
 二つめはセカンド。青野が故障離脱したため、後半からはオーティスを起用、今年もオーティスで行くようだが、果たしてイースタンで結果を残している根元 や期待の若手の青野よりも優先して使うだけの選手であるかは甚だ疑問。中途半端に打って使われるよりは、絶不調で二軍落ちしてくれた方がチームにとってプ ラスになるかも知れない。
 
 最後に一言。今江よ、そろそろ覚醒しないと、サブローのように永遠の有望株で終わってしまうぞ。三割30本30盗塁は狙えると言われ続けたサブローも、 今年でとうとう32歳ですよ…。

ドラフト解析
社会人No1の服部は、他のチームならキャンプでローテーション候補とし て騒がれるのだろうが、先発の層の厚いロッテでは使いどころが難しい。145キロ左腕と言うことなので思い切ってストッパーでも面白いが。社会人出の伊藤 も150キロに高速スライダーと、ストッパー向きの選手なのでもしかしたら使われるかも。アンダースローの下敷嶺はキャンプを見る限りではイマイチか な…。
期待の若手
 ファームの主軸だった大松と竹原が、故障者が多い昨年は一軍でもそこそ こ使われ、大松は200打席で3割を打ち、竹原は120打席で8本塁打している。私がGMなら昨年でベニーは切って、レフトはこの二人を併用してみる が…。大松は両翼を守らせるのなら普通の守備力だが、竹原は余りよろしくない。今年も福浦が不調であれば、ファーストでの起用も考えたい。
 大嶺は使ってみたい素材ではあるが、これだけ先発が揃っているのだからもう一年ぐらいファームでじっくり育ててもいいのでは。来年FAでいなくなる先発 の人もいそうですし。

外国人解析
 五年ぶりにロッテに復帰のシコースキー。正直昨年ヤクルトに復帰した時 は、もう駄目だろうと思っていましたがなかなかの活躍だったので今年も期待出来るだろう。
 新外国人は一人だけで、ストッパー候補としてアブレイユを獲得。150キロ右腕です。しかし、自分で選んで連れてきたバレンタイン監督がキャンプ終盤に 「抑えはまだ決めていない」と言っていたので、もしかしたらもう失格の烙印が押されている可能性も…。
 


日ハム 先発4・リ リーフ4・打撃3・守備5 

先発ローテ ダルビッシュ・グリン・武田勝・スウィーニー 藤井・ 八木・多田野 吉川・木下 
抑え マイケル
中継ぎ 武田久 金森・坂元 建山・江尻(肘手術で復帰未定)  
左セットアッパー 中村・    
 
理想打順
一番センター森本二番セカンド田中賢3番ライト稲葉4番ファースト・ス レッジ5番DH高橋6番サード中田7番レフト工藤8番キャッチャー鶴岡9番ショート金子

捕手 中嶋      
一塁 稲田・小田 ジョーンズ 
二塁    
三塁 小谷野・飯山       
遊撃 陽   
   
中堅 
左翼 坪井
右翼 紺田 
   
 先発は、ロッテのようにきっちり6枚いるわけではないのだが、陣容はか なりいい。まず、ダルビッシュとグリンの二枚が非常に良い。防御率1.82のダルビッシュは言うに及ばず、グリンも勝ち星こそ9勝だが防御率2.21と素 晴らしい成績を残している。昨年から先発転向の武田勝も9勝を上げており、ここまで3枚が軸となる。
 そこに復活を期す一昨年新人王の八木とヤクルトから移籍の藤井、高卒ながらまずまずの投球を見せた吉川と、高卒3年目の木下、ドラ1の多田野、それなり のピッチングだったスウィーニと数はかなり揃っている。
 しかし、リリーフに関してはマイケルと武田久という強力な二枚看板はいるが、層は薄い。特に昨年好投した江尻が肘の手術で後半戦に間に合うかも微妙とい うのは厳しい。昨年二軍のストッパーだった金森、ヤクルトからトレードで獲得した同じく二軍のストッパーだった坂元が一軍でも活躍出来るかどうか。左の中 継ぎも目立った選手がおらず、阪神からトレードで獲得した中村に託す状況である。
 それでもリリーフ評価を4にしたのは、昨年先発だった建山と武田勝がリリーフに回るのでは?と予想しているからだ。建山は先発転向が失敗だったのでほぼ 確実に中継ぎに戻るだろう。その前は3年近くセットアッパーとして活躍しているので、充分やれると予想する。武田勝に関しては、先発でも結果は残したのだ が、後半はかなり打ち込まれていたこともあり、またこれだけ先発の駒があれば中継ぎに戻しても問題は無いのではないかと思われる。
 実際どのようなローテで行くのか、そしてマイケル、武田久以外の中継ぎをどうするのかと言った点はチームの命運を左右することであり、梨田新監督の采配 に注視していきたい。
 
 打線に関しては、1番〜3番までで点を取って逃げ切るというスタイルが決まっている。3割30盗塁の森本、58犠打27盗塁の田中、そして首位打者の稲 葉である。特に稲葉に関しては、一昨年久し振りに三割を打ってヤクルトで良かった頃の成績になって復活したのかと思いきや、35歳でまさか首位打者を取る とは、私個人は夢にも思わなかった。稲葉が3番には言って小笠原の穴を埋めた形になり、稲葉の覚醒無しでは昨年の優勝は無かったであろう。田中は昨年は打 率の方は不振だったが、今年はやや上向くだろう。
 しかし、4番以降は不安が募る。新人の中田は20本ぐらいは期待出来るが、守備は大きな穴になると予想され、そうすると昨年守備で貢献した小谷原や飯原 とどう併用していくか。レフトは復活した坪井と昨年まずまずの成績を残した工藤の併用で心配ないので、一塁、三塁、DHをどう戦っていくのか。理想打線で は高橋信をDHにしているが、思い切って鶴岡を捕手に固定し、高橋はファーストでも面白いのではと思うが。

ドラフト解析
 中田は規定打席に達すれば25本塁打ぐらいは打てるだろう。しかし、 サードでもファーストでもまともに守れる状態ではなく、打線が弱くて守備で戦ってきた日ハムではなかなか痛い。かといって19歳でDHなんかやっていたら すぐに足腰が駄目になるし…悩ましいところだ。ただ、いろんなポジションをたらい回しにされて、規定打席には達するのではと思っていますが。
 多田野は、これだけ先発の枚数がいる中ではなかなか厳しいのでは。

期待の若手
 内野では台湾の陽が、金子の後釜を狙っている。また、昨年200打席 で.2809盗塁だった工藤は、一気にレフトで不動のスタメンになる可能性も。
 先発は、フルシーズンに挑む吉川と木下がどれだけやれるか。この二人がローテにはいるようなら、武田勝を何の問題もなく中継ぎに回せるわけだが…。
外国人解析
 一塁とDH用で、スレッジとジョーンズがいるが…よく知りません。
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