2002年メジャーリーグ分析
メジャーリーグは激しく選手が入れ替わりますが、これは取り敢えず1/13に作成しました。
アメリカン・リーグ 東地区
・ワールドシリーズ4連覇を逃したヤンキースは打線の陣容を大きく変えた。まず一塁はティノ・マルティネスを放出してアスレチックスからジアンビーを獲得。サードのブロシャスは引退したがメッツからベンチュラを獲得した。来期は1番ジーター2番ソリアーノ3番ジアンビー4番バーニー・ウィリアムス5番ベンチュラ6番ポサダという打線になる。ただ、外野は少し不安。センターのバーニーはいいとして、オニールが引退、ノブロックとジャスティスは移籍した。ロンデル・ホワイトを獲得したものの少し弱さは否めない。まあ、1〜6番が凄いので杞憂と言えばそれまでだが。ただ、ポサダがオフに手術したのが少し気にかかる。
投手陣もスモルツは土壇場でブレーブスにさらわれたものの、デビット・ウェルズの獲得に成功、年寄りばかりなのが気にかかるがクレメンス、ムシーナ、ペティットと続く先発陣は脅威。昨季は不調だったオルナンド・ヘルナンデスの復活があれば先発は万全、救援陣もブレーブスのリリーフ三本柱の一人、カーセイをFAで獲得して万全だ。
ただ、ジアンビーの獲得は確かに凄いが、個人的にはティノ、ノブロック、ジャスティス、オニールのいた打線の方が嫌らしさがあったような気がするのだが…果たして、ジアンビーがヤンキース打線の水に合うのかどうか、実に注目の一年となる。

・4月はヤンキースを引き離したものの、相次ぐ故障者でワイルドカードも逃したレッドソックスは今年も補強した。トラブルメーカーのエバレットは放出したものの、ジョニー・デイモンをFAで獲得、昨季は不調だったが、復活すればまたと無い一番打者的だ。3番に故障から復活を期すガルシアパーラと、そして昨年は一人獅子奮迅したラミレスの打点は間違いなく増えるだろう。タイガースからウェーバーで獲得したクラークがここ数年の不調から復活なるかも見所だ。
先発は野茂を失ったが、ダスティン・ハーマンソン、ダレン・オリバー、ジョン・バーケットをオフに獲得、故障のペドロ・マルティネスが復活すれば昨年以上の陣容だ。そして何よりも、昨年のトレード期限ギリギリに獲得したストッパーのウービナが最初から入るというのは実に大きい。やはりヤンキースとの一騎打ちだ。両チームとも打線を大きく組み替えているので、どちらがより効果的に機能するかで決まることになるだろう。個人的にはレッドソックスを押したいが…。
 
・オリオールズとブルージェイズとデビルレイズは何も補強していないような気がするのは私の気のせいでしょうか? オリオールズはリプケンに続きアンダーソンまでクビ同然で放出、ブルージャイズはストッパーのコッチを放出してしまった。ジェイズは打線だけは強力なので先発が出てくれば上位は狙えると思うが…。オリオールズも打線はなかなかだが投手の数が足りなすぎる。デビルレイズは…コメントなし。
アメリカン・リーグ 中地区
・ホワイトソックスが大博打のウェルズ獲得失敗で見事にコケ、そして前半戦大爆発したツインズが息切れ、さらにチーム強化を狙ったはずの期限ギリギリのトレードで逆に弱体化して、結局は大本命のインディアンスがそのまま優勝した。しかし、そのインディアンスもホアン・ゴンザレスと契約を更新せず、さらにロベルト・アロマーもトレードで放出してしまった。セカンドの後釜がグエティレスというのは余りにも寂しい。ゴンザレスとバークス、さらにロフトンまで抜けた外野は、アロマーと交換で獲得したロートンとエスコバー、さらにオリオールズをクビになったアンダーソン。投手陣はロッカーを放出したものの、ごねていたウィックマンの残留でリリーフ陣は一安心、先発も昨年イチローがいなければ新人王だったサバシアもおり、中地区では優勝候補だがプレーオフを戦うには昨年よりもパワーダウンした感は否めない。
 しかし、対抗馬のツインズも、投手を補強するためトレード期限ギリギリにマット・ロートンをメッツに放出してから打線が噛み合わなくなり、オフは削減問題もあって全く動いていません。投手、打者ともにいい選手は揃っていますが、優勝するにはもう1枚ずつ足りないか。ホワイトソックスもフランク・トーマスが故障から復帰して打線は優勝した一昨年の陣容に戻るものの、ウェルズを解雇してしまってやはり投手が厳しい。タイガースはセデーノがFA、ロイヤルズもノブロックを獲得したものの、アストロズにマイケル・タッカーを放出してしまっている。現在の戦力だけでは、ア中地区はちょっと1ランク落ちた感じは否めない。それでもまあ、順当にいけば地区優勝はインディアンスなのだろう。プレーオフを勝ち抜くには打線の強化が求められる。
アメリカン・リーグ 西地区
このオフは、インディアンスを地区五連覇に導いた名GM、ジョン・ハーツを迎え積極的に補強したレンジャースと、FAでグタグタになったアスレチックスが非常に目立つ。まずアスレチックスはデイモン、ジアンビーと1番と3番が抜けた。そして抑えのイズリングハウセンもFA移籍。代役がジャスティスとハッテバーグではさすがに厳しいだろう。ただ先発はハドソンなど若手を中心に非常に良い。先発の顔ぶれだけならマリナーズ、レッドソックスを凌駕する。そして抑えにはブルージェイズからコッチを獲得。多少安定感に欠けるが、来期は投手力を前面に押し出した戦いになるだろう。
・レンジャースはアレックスとパルメイロ、イバンの打線は文句無し。そこに朴とデーブ・バーバ、イズマエル・バルデス、ジョン・ロッカーを加えた。先発の柱と抑えを手に入れたわけで、まだ強い投手陣とは言えないが、強力打線と組み合わせれば昨年のような体たらくは無いだろう。ただ、それでももっと先発が出てこないと優勝は厳しいだろう。ゴンザレスとエバレットの獲得で打線はますます強力になった。粒が小さくても先発の数が揃えば優勝は狙える。そう言う意味ではマイナー契約の伊良部が復活するかも大きな鍵を握る。ただ、朴を除けばバーバ、バルデス、伊良部とも昨年は実績を残していない。正直この中から一人二桁勝ってくれれば御の字だろう。しかし、優勝を狙うにはそれでは足りない。
・マリナーズはトレードでサードにシリーロ、そして捕手にベン・デービスを獲得して良い補強をしたが、しかしFAの方では狙っていた先発とレフト、両方の大物に逃げられた。レフトはシエラ、先発はボールドウィンと小物に。契約を渋ったシーリーはエンゼルスに移籍した。トレードでパニアグアとトムコを放出したが代役として長谷川を獲得、打線は昨年より上積みされだが、シーリーの抜けた穴は埋まっていない。後は果たしてブーンが今年も活躍できるかどうかであろう。
・エンゼルスも悪くない。モー・ボーンを放出したが昨年は怪我で全休。アースタッド、サーモン、グラウス、ギャッレット・アンダーソンの強力打線はそのままに、先発にエイピアーとシーリーを獲得した。先発が2枚増えたわけでなかなかの布陣だ。但しアースタッドの放出を狙っているとも言われ、毎年のことだがチームのモチベーションの低さが気にかかる。

 予想はかなり難しいが、私はブーン次第だと思います。ブーンがこければマリナーズは3位でしょう。投手力のアスレチックスも捨て難いですが、これはシーズンが始まってから、ジアンビー頼みだった打線が果たして機能するかというのを見てから出ないと何とも言えません。レンジャースは数自体は揃ったのですが、やはり投手の顔触れは余り良くありませんし…かつてのマリナーズの様に、ジョンソン一人と強力打線で地区優勝、ということになるのでしょうか? エンゼルスは選手を見ただけだとインディアンスより強そうな気もするのですが。
ナショナル・リーグ 東地区
・フィリーズが予想外の健闘を見せたものの、結局ブレーブスが逃げ切った昨季。今季はメッツが大補強し、2強対決が復活する。
メッツはなんといってもアロマーの獲得だろう。アルフォンゾがサードに戻り、オルドネスと組む内野陣は鉄壁である。これだけで来期のチーム防御率は0.5ぐらい下がってもおかしくない。そして打線の方もセデーノ、ボーン、バーニッツを獲得。セデーノ、アロマーの上位、そしてピアザ、ボーンと続く打線はまさに脅威だ。先発はライター、トラッシクル、チェンにエステス、ダミーコ、小宮山と補強していて悪くはない。
・対するブレーブスはFA組みの引止めに終始した。アンドルー・ジョーンズ、ハビアー・ロペス、スモルツと主だった面を相場よりも安い年棒で引き止めた。FAでは復活したカスティーヤを獲得、一塁か三塁に入る。三塁となった場合は守備の下手なチッパーがレフトにコンバートされることになる。投手陣はバーケット、カーセイが抜けてアルビー・ロペスを獲得した。基本的には昨年と同じ戦力という感じだが、しかし、この面子ではワールドチャンピオンは厳しいのではないだろうか。
・フィリーズは主砲スコット・ローレンの契約延長問題が全て。チームは基本的にトレードの方向で進めているが交換要員で全く折り合っていない。かつてのケン・グリフィー状態である。一番興味を示していたマリナーズとは交換要員で話が平行線のままでいたところ、ロッキーズからシリーロを獲得してしまいローレン獲得から撤退、あと欲しがっているのが同地区のブレーブスやメッツだという歯がゆさだ。ローレンの動向はトレード期限の7/31まで目が離せない。トレードできなければFA移籍は間違いないと言われている。そんなわけでもはや優勝争いとは無縁な状況だ。先発のダールも放出してしまっている。
・マーリンズ、エクスポズは削減問題の余波でほとんどオフは動きなし。特にエクスポズは激しい抵抗運動が起きているツインズと違い、削減は間違いないだろう。後はそれが開幕前なのか来オフなのかという感じだ。

・メッツの内野陣はかなり魅力的だが、現状ではブレーブスを破るには投手が少し物足りないか…ただ、ワイルドカード争いをリードしていることは間違いないだろう。 
ナショナル・リーグ 中地区
・復活したアストロズが地区優勝を決めたが、主軸のモイゼス・アルーがFA移籍。後釜にはロイヤルズからマイケル・タッカーを獲得、それ以外はワグナーの残留ぐらいで動きのないオフだった。対するカージナルスはマグワイアが引退したものの、ティノ・マルティネスを獲得、抑えにイズリングハウゼンを獲得した。ハーマンソンを放出してしまったが、強力打線にバランスの取れた投手陣でアストロズに挑む。ちなみに田口はレフトのポジションを争うことになる。センターとライトが決まっているので、数人で争う厳しい状態だ。
・カブスは今年もFA戦線に積極的に挑み、モイゼス・アルーを獲得した。そしてトレードでもアレックス・ゴンザレスを獲得、野手はなかなか良い布陣になった。後は故障者の多い先発次第だろうが、上位にチームには劣るか。毎年FAで補強しながら優勝できない謎のチームでもある。
・レッズはとうとうポーキー・リースまで放出してしまった。この分ではケーシ、ウィリアムソンの放出も時間の問題か。もはやグリフィーとバーキンだけのチームである。
・パドレスはベン・デービスを放出してトムコを獲得、ネヴィンは残留とバランスの取れたチーム編成を行っているがさすがに上位は厳しいか。ブリュワーズはエリック・ヤング、マット・ステアーズなど油の落ちたベテラン二人を獲得。バーニッツとダミーコを放出してオチョア、ラッシュを獲得した。優勝というにはまだまだ弱い。ちなみに今季黒字だったそうです。

・個人的にはアストロズのファンなので応援したいが、さすがにアルーの穴は大きい。カージナルスが行くのでは? しかし、競い合うのは間違いないだろう。そしてカブスの補強が今年こそ成功するのかも注目である。
ナショナル・リーグ 西地区
・ダイヤモンドバックスは選手年棒が超過状態でFA戦線に全く絡めなかった。ジョンソン、シリングの2枚看板は健在で、プレーオフに進出できればワールドチャンピオンになれるだろうが、160試合戦う上では今季の優勝は保証されない。メッツの大補強でワイルドカードも厳しい今季は果たしてどうなるだろうか。解雇されたのを拾ったリック・ヘリングが働けるかも注目だ。
・ジャイアンツはエステスは放出したもののシュミットの残留に成功した。そして一昨年抜けたバークスの穴埋めとしてレジー・サンダースをダイヤモンドバックスから獲得、そしてセンターに守備力のある新庄を獲得してバランスの取れたチーム編成となった。そしてドジャースは野茂、石井一、ダールを獲得して投手力を強化した。しかしシェフィールドを放出してジョーダンとオダリオ・ペレスを獲得、打線は一つ落ちた。ストッパーのショウもいなくなり、相変わらずチームバランスが悪い。
・ロッキーズは年棒削減で選手を放出気味。ちょっと厳しいのではないか。弱いチームではないが、上位三チームと比べるとこの地区では最下位でもしかたないだろう。
 
私の予想はずばり、ジャイアンツでどうでしょう。ナショナルリーグはワイルドカード争いも激しいものになると予想されます。  



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